2023年「歴史勉強会~石切り場遺跡&野田山」の活動報告

梅雨上がりの小雨が降った7月9日(日曜日)午前11時より、石川民団青壮年会と共催している定期交流会「サランバン」の7月プログラムとして、「歴史勉強会~石切場遺跡」の訪問学習会を行いました。元北陸大学の教員でドイツ研究者、かつ尹奉吉義士共の会会長の’田村光彰’先生をお招きし、金沢市額谷地域にある歴史遺跡を訪ね、その遺跡に関わる歴史的な事実をお勉強するというコンセプトで企画しました。在日韓国人と同胞だけではなく、日本人・中国人・ドイツ人の地域住民の合計24名が参加しました。

集合後、石切場に向かいながら1944年~1945年の時代背景と石切場の概要、その他の説明が続きました。田村先生によると、約600人の人々がほとんど給料をもらえず、一日でまんじゅう1個という過酷な環境で飛行機のエンジンやプロペラを製造するため、強制的に働かされたそうです。また、二、三十箇所の洞穴は、労働者たちが手堀で作ったものであり、その中にはハングルで’家に帰りたい’、’お母さんに会いたい’といった落書きが残っていたようです。

遺跡の広場でより詳しい説明が行われました。田村先生は配布した説明資料をもとに、侵略の定義から強制徴用、謝罪と賠償に関するご意見をお聞かせくださいました。また、韓国と日本だけではなく、ドイツやヨーロッパの事例をあげ、’両国の和解とアジア及び世界の平和のためにも戦争責任をしっかりと考え、二度と同じ悲劇を起こせないためにみんなで協力してほしい’と語りました。

石切り場の見学が終わったあと、野田山の尹奉吉義士の遺跡にも尋ねました。殉国記念碑と暗葬地の碑石が建立された経緯や韓日両国の和解や友好の象徴であること、そしてこれからの保存と管理の重要性などについて田村先生よりご説明がありました。

見学が終わったあとには、大額にある「ブリックハウス」のハワイアン料理でランチを食べながらご歓談しました。本日の歴史勉強会の感想はもちろん、様々な会話が交わされたり、自分の経験を共有したり、その他の韓国大好き~などの話でとても盛り上がりました。

参加者の声として、’何十年もこの地域に住んでいるのに、こんな遺跡があることは知らなかったし、非常に勉強になった’、’韓国と日本の間に闇の歴史があることはあまり知らなかったけど、今回説明が聞けてよかった’、’K-POPや韓国文化には興味があったけど歴史には全然興味がなかった。でも今回のイベントで歴史にも興味がわきそうだ’といった、好評とフィードバックを頂きました。足元の悪い中、ご参加いただいた皆さんに感謝申し上げます。

次回のイベントも歴史勉強会です。今回参加できなかった方もぜひお越しください。
長文になりましたが、お読みいただきありがとうございました。カムサハムニダ!

「作成:董又碩(ドンウソク、石川民団青壮年会 会長)」

在日本大韓民国民団石川県地方本部

○在日同胞が生存権と生活権を守るために自発的に作った任意団体です。 ○特定の人だけが参加する組織ではなく、在日韓国人や韓半島にルーツをもつ人であればどなたでも参加できる幅広い大衆団体です。 ○在日韓国人の法的・政治的・社会的な権利を守り、生活および民族教育の保障や民族文化の向上を図る活動を行い、在日同胞全体のより良い暮らしを目指す非営利団体です。